honnhonn123の川柳日記

毎日一句の川柳

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

限りがある

どこまでも続くレールに夫と乗る (どこまでも続くと思っていたあの頃、若かった。 後どれくらい夫と過ごすことができるのか等と 思う事もあるが、考えてどうにもならない事で 思い悩んだりクヨクヨするのはよそう。 今が、普通に過ごせたらそれで充分幸せ)

昔と今は

手の届く位置に電話のある安堵 (亡母が入院していた時に作った句。固定電話の時代だった。 今は、どこにいても電話やラインでつながることができる。 あの頃スマホがあったなら、より安心だったろう。 今、あまりに手近にあり過ぎて鬱陶しさを感じる時もあり…

思いがけない趣味

錆止めの趣味が心を熱くする (身体や心の老化を、なるべく遅らせたいと始めた卓球。 いつの間にやら週に三日も通い、家でも毎日やって まるで中学校の部活状態になっている自分が可笑しい)

立ち位置

大皿のレモンの位置におじぎする (脇役のレモン。添えられていると彩りも良く 絞ると味も一段と引き立つ。 そんな人が輪の中にいると、スムーズに事が運び 気持ちも良い。私には、レモンの役はできない・・・)

思いを寄せる

葬列に雨降りかかる若い喪主 (お亡くなりになった方は働き盛り。 喪主の長男さんは、まだ若く、悲しい雨が降っている)

運動会

行進にダンシングヒーロー流れてる (秋に行われていた運動会は、今は春に開催されている。 小学校でも中学校でも、ダンスの曲も行進の曲も 昔と違って流行の曲が流れる。今は、キンプリ等の ジャニーズの曲だったのだろうか)

不漁とか

新さんま焼いて多めの米をとぐ (今年のサンマ漁は不漁とか。お店にも出ていない。 解凍サンマを買って来た。新さんまのつもりで)

亡母

夢の中寿司混ぜる母笑う母 (この歳になっても、よく母の夢を見る。 母が作るお寿司の中で、鰯を酢漬けにした姿寿司 丸寿司と呼んでいたが、それが大好物だった)

高校野球

赤銅の腕ボールと陽射しはね返す (上五が字余り。高校野球が終わった。 甲子園の熱闘が終わると秋がやって来る)

入選は難しい

星の見える部屋で一人の膝を抱く (若い頃の句。部屋という兼題だったと思う。 没だったのか入選だったのか記憶にない)

いなくなった・・・。

村おこしかけて若者太鼓打つ (廃れてた秋祭りの獅子舞を復興させたのは40数年前の事。 その後、夏休みになると獅子舞の夜習いが始まり、鉦や 太鼓の音が響き、今年も秋祭りがやってくるな・・・と。 しかし、子供と若者の数が減り、とうとう3年前、また 秋…

ヘアーカラー止めたと決めてまだ迷い (今年の初め、ヘアーマネキュアを止めて白髪にしようと 決めた。半年過ぎ、両脇前の方が白髪になって来た。 全体が真っ白には、なかなかならないらしい。 白髪にすると老けるからと美容院で言われ、実際 老けて見えるか…

姑の事

すり減った下駄が我慢を知っている (嫁いだ時には、姑は既に亡くなっていた。あちこちから 漏れ聞こえてくる姑の話。夫であった舅との生活は 苦労の連続であったらしい。子供三人のため我慢の連続だったとか)

普通

知りたがる程の過去無く夫と居る (他人様が聞きたがるようなドラマティックな過去もなく 普通に結婚して普通に暮らし、50年近く連れ添う 夫と普通に暮らしている)

消費税

税込みの尾っぽもかじるエビフライ (エビフライの尾の方をたくさん食べ残す人がいる。 私は、尾も全部食べてしまう。カリカリで美味しいし 税も含まれていると思うと残せない。でも、コレステロール が高いらしい。滅多に食べないからいいや~~)

温泉

湯けむりにそれぞれの過去透けて見え (露天風呂に入ると開放的になるようで、知らない人同士 あけすけな話をしているのが耳に入って来る。 一人、聞いていないような顔をして聞き耳を立てている)

佳作

スカーフの青に元気をもらう朝 (新聞投稿、青の兼題で。佳作に入りながらも・・・。 この句は、ありきたりだと思っていた、自信作は没だった)

想定外

へそくりに老後の席を予約する (年金は、思っていた以上に安く、少しずつ貯えていた 物も、思っていた以上に利子は付かず・・・。 若い時、思い描いていた老後のゆとりは絵に描いた餅になった)

若いっていいよね~~!

弾み立つエネルギー秘め若き群れ (紺と白のユニフォームから、日に焼けた素肌を出し テニスコートを走っている高校生。笑ったり話したり する度に真っ白な歯がこぼれる)

カッコつけ その2

満開の下の逢瀬が不倫めき (この句も、少々、いやだいぶんカッコつけている。 今、見直すと、選に入りやすいかなと迎合している ようにも感じられて・・・苦笑い)

カッコつけ

風を飲み心の中に鶴が飛ぶ (若い時、手ほどきして下さった先生がファースト川柳の 同人だった。川柳は、大きく番傘派とファースト派に 分かれている。こういう句を作って、少し粋がって いたのかもしれない。句会の時、こういう句が 入選しやすいなどとの下…

甲子園

逆転のチャンス靴紐締め直す (炎天下、高校野球が行なわれている。 いろいろ言われながらも、毎年、開催されてる。 これから先、高校野球も大きく変わって行くのだろうか)

干支

丑年が三人寄って意地を張り (亡舅、夫、私、丑年が三人。その上、舅は馬喰が生業 肉牛も飼育していた。 丑年は意地っ張りだとか。一軒に同じ干支が三人いると 縁起が良いと聞いていたが、実際、どうだったのだろう)

遠い故郷

故郷はどこまでも青 母が病む (亡母が寝たきりだった時に作った句)

道草も良いかもしれない

脇道に逸れてやさしいやさしい顔に会う (日々の暮らしに追われて切羽詰まりながら暮らしていた 若い頃。自損事故で大けがをし人生観が大きく 変わったなと思う)

見かけによらない

ケロケロと笑っているけど根暗かも (何も気にしてないよ風に笑う人がいる。でも、それとなく 出てくる言葉の端々に後ろ向き感があってハッとすることがある)

入選は難しい

青似合う思い出の人若いまま (青という兼題が出て投稿したが、見事に没)

おせっかい

茶畑に戸籍調べの人がいる (30年ほど前まで、毎年、友人の家にお茶摘みの アルバイトに行っていた。ずっと年上の摘み手 の方ばかり。私が一番若く、皆の格好の餌食。 根ほり葉ほりと聞かれて往生した)

30年前の句

鉦太鼓植えたミカンが足かせに (米よりミカン・・・と、誰もかれもが植えた。 実がなる頃には、過剰になって安値。30年前の事。 そして、今、ミカン山は竹藪や荒れ地となって 荒廃し崩壊している)

思ってもいない方向へ

飲み込めぬ言葉が一人歩きだす (チラリと言った言葉が、憶測や思惑を身にまとい 自分の思いとは違った方向へ。なぜ飲み込んだ ままにしておかなかったのだろうか。後悔)