honnhonn123の川柳日記

毎日一句の川柳

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

予定

朝焼けに出かける予定前倒し (朝焼けが美しいと雨になると言う・・・)

退職後は

ドアの鍵除けてゆるりと生きている (鍵のある部屋などはない古家に住んでいるけれど 身構えたりせず暮らそうと、ドアの鍵という表現で)

負け惜しみ

くじ運のせいにしている負け試合 (決勝に残るはずだった卓球の試合。残念、その前に 負けてしまった。負けた相手は、優勝・・・)

命日

姑の忌にビワ二三個(にさんこ)と語り合う (一度顔を合わせただけ、亡くなってから嫁いだ。 ビワが色づき始めると命日が近づく)

振替休日

弾み立つエネルギー秘め若き群れ (部活の帰りだろうか、ユニフォームを着た中学生。 話し声は聞こえてこないが、元気があふれている)

ついつい

口ついて出るのはいつも同じ演歌(うた) (なぜだか、昔の演歌を口ずさんでいる)

平々凡々

知りたがる程の過去なく夫と居る (ああだった、こうだったと言えるほどの過去もなく ごくごく普通にこの歳まで。それが一番かもしれない)

疲れるな

ビール一杯自分に戻る夫の前 (ちょっと気を張る会に出席。緊張していたみたい。 家に帰ってビール一杯飲んで、ようやく人心地)

時代は変わり・・・。

姉の名を消して使った辞書二冊 (教科書や辞書を譲り受けたり譲ったり、そんな時代だった。 今は、教科書は無償。辞書は電子辞書の時代)

30年前

夢の中口いっぱいの啖呵切る (舅との同居、言いたいことを抑え暮らす日々。 啖呵を切る夢を見ることが多かった。 夫と二人暮らしになり、もう夢で啖呵を切ることも無い)

もうずっと見ていない

希望の陽つかもうとするもみじの手 (若者が少なくなった。赤ちゃんの泣き声や笑い声を 聞くことも無い。抱っこしたのは、何時だっただろうか)

注射針

点滴の針を刺す手に朝の風 (かかりつけの医院で点滴、気心の知れた看護師さん。 気候が良くなり来る窓から吹いてくる風も薬の一つ)

さまざま

「もしもね」と話の腰を折る友よ 話の途中で仮の話を振って来る友。 そんな人だと知っていても、ちょっとムッとする時もあり 聴き流してしまう時もあり・・・。

若い日

名刺持つ友の風切るローヒール (着々とキャリアを積み生き生きと活躍する友。 羨ましかった。しかし、逆に羨ましがられていたと 分かったのは、歳を重ねた同窓会の事だった)

趣味の会で

秘密だと言われ肩の荷重くなる (信用して言ってるの?それとも広めて欲しいから・・・? 内緒話は、聞きたくない)

勇気がなかった。

飛び越せる塀を自分で高く置き (ちょっと勇気と意地があればクリアーできたのに 思い切れなくて、殻を破れなかった)

梅雨前

襟元のパステルカラー揺れて初夏 (着るものに頓着しなくなって久しい。 このまま老け込むのも、明るい色でも着てみようか)

施設に入った母

介添えのピンクの服が病母を抱く (ピンクの介護服を着たスタッフさんが母を車椅子に 移乗していた。母が亡くなった後、私は介護職に就いた)

カラカラ天気

一滴の雨を待ちわび探す雲 (青空が広がり気温も上がり良い天気続き。 花も人間も、雨が欲しい。でも、なかなか降らない)

紙辞書

検索を押して辞書との縁が切れ (良いのか悪いのか、分厚い重い辞書を開くことが無くなった。 パソコン、スマホ、電子辞書で、一発検索の時代)

二人暮らし

短めの会話になって夫と老い (子育て中は、相談事や様々な話をしていたが 食事時だけになった会話、そうやって老いていくのだろうか)

思い描いた夫婦像

夫と塗る未来は淡い色にする (若い時に作った一句。 今、その時の未来。淡い色というより水墨画かもしれない)

露地曲がる幼い私駆けてくる (故郷に帰り懐かしい場所を巡り思い出がいっぱい。 もう故郷に帰ることは無いかもしれない)

結婚50年も目の前

紙一枚出して寄り添う夫と居る (あれから50年。早いなとも思いあっという間だったとも思う)

美味しい物でも食べて

かき揚げに胸のつかえを刻み込む (気分が悪いことがある。誰に言えるわけでもなく 美味しい物でも食べビールを飲んで憂さ晴らし。 根っからの貧乏性。美味しい物は、畑の野菜で作る かき揚げ。)

老後は

きっぱりと割り切り濃茶二人分 (卒業した大学のある街で就職し結婚した息子。 進学校に行った時から、この家を継ぐことは無いと・・・。 自分で選んだ道をしっかり歩いている子供たち。それで良し)

カッコつけていた。

理解ある妻を演じた肩の凝り (若い時、他所向きに良い顔をしたこともあった。 良い顔をすると疲れることが分かった今、もうやらない)

自分で自分に

長い闇抜けて羊羹厚く切る (やっと危機をやり過ごしたと思える日。 たまには甘いものと熱いお茶と)

親しみ

あの人の趣味知ってから好きになり (卓球仲間の彼女。とても上手なので話もできない。 と思っていたら、川柳が好きな事を知って話せるようになった)

胸に刺さっている

裏庭の犬の墓にも参る朝 (何か引っかかりがある朝、つい、犬の墓にまで 参って手を合わせた)